便利？不便？DXFファイルの正体に迫る

複数のCADソフトで開くことが可能なDXFファイル。便利なのですが、別のCADソフトで開いたときの文字化けや寸法のズレなど、気になる点も多々あります。今回は、なぜ互換性があるように見えるDXFファイルで文字化けなどが起きるのか？その理由やDXFファイルの真の正体についてご紹介いたします。

DXFファイルとは？どのようなファイルなのか

CADのお仕事に関わる方なら誰でもご存じの「DXFファイル」。
DXFファイルは、種類の異なるCADソフトを開くことができるファイル形式と認識されています。

例えば、Jw_cadで作成した図面をDXFファイル形式で保存すると、AutoCADで開くことが可能です。
このように、様々なCADソフトで利用できるため、違うソフト同士でデータをやり取りするときにDXFファイルは、とても重宝されています。

ですが、その反面「文字化けする」「寸法がずれる」「レイヤ名が変更される」「表示されない部分がある」などの問題点も抱えています。

なぜ、様々なCADソフト間で利用できるファイル形式なのに、データのズレなどが起きるのでしょうか？今回は、DXFファイルの真の正体についてご紹介いたします。

DXFファイルがズレや文字化けする理由とは？

様々なCADソフトで利用できる「DXFファイル」。
では、なぜCADソフト間で、完全に再現ができないのでしょうか。

DXFファイルのDXFは「Drawing Exchange Format」を略したものです。
AutoCADの標準ファイル形式、DWGは「Drawing」を略し、DWGとしています。
二つの正式名称を見比べると分かるように、DXFはAutoCAD用のファイル形式なのです。

DXFの「Exchange Format」とは、交換フォーマットや交換形式などと訳せます。
拡張子名を見ても分かるように、DXFファイルの真の利用方法は、AutoCADの異なるバージョン間でファイルを開くために、Autodesk社開発したものなのです。

DXFファイルとは、本来AutoCADの新しいバージョンで作成したファイルを、旧バージョンのAutoCADで開くためのフォーマットで、AutoCAD以外のCADソフトを開くために作られたフォーマットではないのです。

ですがDXFファイルは、テキスト形式というシンプルな形式で他のCADソフトで開くことができるため、いつの間にか種類の異なるCADソフトで利用できるCAD形式と認識されている現状があります。

「DXFは化けて使えない」という声を耳にしますが、文字化けなどが起きる理由は、Autodesk社のAutoCAD間でやり取りするために開発されたものを、我々が勝手にCAD互換形式として使用しているからなのです。

DXFファイルを寛大な気持ちで受け止めよう

CAD操作を始めたばかりの方は、DXFファイルで取り込んだデータを修正する作業を依頼されることが多く、DXFファイルが嫌いな方も多いのではないでしょうか？

ブログ部メンバーも、CAD経験が浅い頃「またDXFファイルの修正か……」と、心が折れる毎日を送っておりました。

ですが、DXFファイルの正体を知ると、再現力が不十分だと言われているDXFファイルの存在を、非常に不憫だと感じてしまいます。

DXFファイルを異なるCADソフトで使用し、文字化けなどが起きた場合「他のCADソフトで作成したファイルを開けるだけでも有難い」と寛大な気持ちで受け止ると、化けたファイルを修正する作業も、苦にならないのではないでしょうか。

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