BIMとは?CADとの違い・メリット・将来性を基礎から徹底解説

「BIM(ビム)」という言葉を聞いたことがありますか?
いま国が導入を推進しており、建築業界でも重要性が高まっている技術です。

「専門スキルを身につけて手に職をつけたい」
「CADは使えるけれど、BIMって何だろう?」

――そんな方にとって、BIMは図面を描くだけで終わらない、次のキャリアにつながるスキルです。

また、BIMスキルを持つ人材は希少性が高く、多くの企業で求められています。 将来性のあるスキルとして注目されており、場所にとらわれない働き方につながる可能性もあります。そのためBIMを学ぶことで、働き方の選択肢やキャリアの可能性を広げていくことができるでしょう。

そこで本記事では、BIMとは何か、CADとの違い、求められる理由、そしてBIMの将来性・学び方までを、初心者にもわかりやすく解説します。

1. BIMとCADのちがい

BIMとは

BIM(Building Information Modeling/ビルディング・インフォメーション・モデリング)とは、建物をデジタル上で立体的に表現し、その中にあらゆる情報をまとめて管理できる技術のことです。建築の設計・施工・管理といったすべての工程を、コンピューター上で一元管理することができます。

BIMは、次の2つの考え方を組み合わせたものです。
・Building Modeling(建物の形をつくる)
・Building Information(建物の情報を記録する)

これまでの建築設計では、主に2D CAD(平面図や断面図)で作図するのが一般的でした。 しかし、BIMの登場によって、建物を3Dで立体的に見ることができることに加え、各部位に仕上げ・材料・性能・コストなどの情報を登録できるようになりました。

CADとのちがい

CADとBIMは、どちらも建築設計に使われるデジタルツールですが、目的や使い方が大きく異なります。CADが「設計図面を正確に描くためのツール」であるのに対し、BIMは図面作成に加えて、「建物全体の情報をデータとして管理・共有できる仕組み」といえます。

それぞれの違いを、項目ごとに整理すると次のようになります。

CAD BIM
目的 図面を描く設計ツール 建物の形状と情報をまとめて管理する仕組み
作成方法 線や面を組み合わせて図面を作成する 柱・壁などの部材を配置し、情報付きの3Dモデルを作成する
修正の仕方 図面を1枚ずつ手動で修正する必要がある 1か所修正すると、関連部分が自動で更新される
活用範囲 主に設計段階で使用される 設計・施工・管理まで、建物のライフサイクル全体で活用できる
情報の扱い 図面と材料・仕様などの情報は別々に管理される 情報を一元管理し、常に最新の状態を共有できる

 

2. BIMが求められる2つの理由

設計・施工・維持管理をまとめて管理できる

BIMを使うと、すべての情報をひとつにまとめて管理できます。たとえば、設計の途中で壁の位置や素材を変えた場合も、BIMならその変更が自動で図面や関連データに反映されます。これにより、修正の手間が減り、作業ミスも防げます。さらに、設計・施工・管理のチーム全員が同じデータを見ながら進められるため、やり取りがスムーズになり、生産性が上がるというメリットもあります。

初めにシステム導入のコストはかかりますが、長い目で見ると「やり直しが減る」「確認作業が早くなる」など、結果的にコストの削減にもつながります。

初期段階から完成イメージを共有できる

2次元のCADでは、設計の初期段階で完成イメージを共有するのが難しく、施工主にとっても仕上がりをイメージしづらいという課題がありました。一方、BIMは最初から3Dで建物を立体的に作るため、見た目や空間の広がりをひと目で確認できるのが大きな特長です。

さらに、設計の段階で素材同士の重なり(干渉)チェックや日当たり・動線のシミュレーションを行うこともでき、あとから発生する設計ミスや修正作業を事前に防ぐことができます。

3. BIMの普及状況と国の後押し

日本での普及状況

BIMは、建物の形だけでなく材料・コスト・工程など多くの情報を扱う技術のため、その運用には操作スキルやデータ管理の知識が求められます。しかし、日本ではまだBIMを使いこなせる人材が少なく、導入が進みにくいのが現状です。

さらに、BIMソフトは従来のCADソフトに比べて導入費用や維持コストが高いため、コスト面からもBIMの普及がゆるやかになっているという課題があります。

国が推進するBIM活用

海外では、アメリカやイギリスを中心に公共事業でのBIM活用が義務化されており、BIMはすでに当たり前の存在になっています。日本でも国土交通省が中心となって、大都市プロジェクトだけでなく、地方都市のプロジェクトでもBIMの普及を推進しています。

今後は、国の方針や業界全体の流れによって、BIMが建築業界の新しいスタンダードになることが予想されており、いまBIMを学び始めることは、将来のキャリアを広げる大きなチャンスでもあります。

参考:国土交通省「 建築BIM加速化事業について

4. 代表的なBIMソフト「Revit」とは

BIMソフトの中でも、日本で特に広く使われている代表的なソフトが「Revit(レヴィット)」です。他のBIMソフトと比べて、Revitの最大の特徴は「建築のさまざまな分野をひとつのモデルで統合して扱える総合力」にあります。

建築設計を支える3つの要素

建築の設計には複数の分野が関わっていますが、特に重要なのが「意匠(いしょう)」「構造(こうぞう)」「設備(せつび)」の3つです。これらは異なる役割を持ち、建物の完成に欠かせない重要な要素です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

分野 役割・目的 主な内容(住宅の例)
意匠 建物の見た目や使いやすさをデザインする 外観デザイン・間取り・内装・窓やドアの配置
構造 建物を安全に支える骨組みを設計する 柱・梁・基礎の設計/耐震・耐風などの強度設計
設備 快適に暮らすための機能を整える 電気・給排水・空調・照明・通信などの設計

 

Revitが選ばれる理由

Revitは、これら意匠・構造・設備のすべての分野に対応しているだけでなく、設計から施工、維持管理まで、建築プロジェクト全体をひとつのデータで管理できます。そのため、複数の担当者や分野が関わるプロジェクトでも、情報の共有や更新がスムーズに行えるのです。

ただし、他にも設備設計に特化したRebro、意匠設計を中心に使われるArchiCADやVectorworks、日本の建築基準や業務フローに適したGLOOBEなどのBIMソフトも存在します。それぞれに得意分野があり、プロジェクトの内容や担当業務に応じて使い分けられています。

 

5. BIMを習得すれば、働き方もキャリアも広がる

これまで見てきたように、BIMはこれからの建築業界で欠かせない存在となりつつあります。しかし、実際にBIMを使いこなせる人はまだ多くありません。特に深刻な人手不足が続く中で、BIMスキルを持つ人材の需要は年々高まっています

一方で、自社で新たに人材を育成しようとすると時間やコストがかかるため、企業の多くが即戦力となる人材を求めています。

このような状況で、建設会社からは「一定以上のBIMスキルを持つ方であれば、在宅勤務でも採用したい」という声も増えています。つまり、BIMを学ぶことで、現場に出ずにリモートで働くチャンスや、キャリアの可能性を広げることができるのです。

では、実際にBIMを身につけるにはどうすればよいのでしょうか?

6. BIMを学ぶには

BIMは単にソフトを操作できるだけでなく、「建築の理解」も求められるスキルです。そのため、自己流で学習を進めてしまうと、「操作はできるが、実務では活かせない」という状態に陥りがちです。そこで本章では、実務を見据えてBIMを身につけるための主な学習方法について解説します。

BIMの学習方法3選

BIMを学ぶ方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 独学で学ぶ
    • 書籍(入門書・操作解説書)
    • Web記事・ブログ
    • YouTubeなどの動画教材

    特徴:費用を抑えやすい/自分のペースで進められる
    注意点:実務とのギャップが生まれやすい

  2. オンライン講座・動画教材を受講する
    • 有料の動画講座
    • サブスクリプション型学習サービス

    特徴:体系的に学べる/繰り返し視聴できる
    注意点:質問やフィードバックが受けられない場合もある

  3. BIMスクール・専門講座に通う
    • 通学型スクール
    • オンライン完結型スクール

    特徴:実務を意識したカリキュラム/質問や添削が可能/転職サポートがある場合もある
    注意点:一定の受講費用がかかる

講座やスクールを選ぶ際のチェックポイント

講座やスクールを選ぶ際には、以下のポイントを基準にすると、ミスマッチを防ぎやすくなります。

  • カリキュラムの内容: 自分の目的や現在のスキルレベルに合っているか
  • 講師の実務経験: BIMを実際の業務で活用している講師が担当しているか
  • サポート体制: 質問対応や課題の添削など、学習を支える仕組みが整っているか
  • 費用対効果: 学べる内容に対して、受講費用が妥当かどうか

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7. 最後に

BIMとは何か、CADとの違い、求められる理由、そしてBIMの将来性・学び方について解説しました。現在、BIMが使える人材は不足しています。また、BIM人材の需要は今後も増加していくと予想されるため、BIMを習得しておくことは将来のキャリアアップにもつながるでしょう。