国土交通省は、令和４年度2次補正予算「建築BIM加速化事業」なるものを創設しました。
80億円もの予算がついています。
ここでは「建築BIM加速化事業」とは何なのか？について説明していきます。

建築BIM加速化事業について（国土交通省）

「建築BIM加速化事業」とは

上記ページからリンクされているPDFにも記載されていますが、ポイントは3つです。

①令和5年度末までの基本設計・実施設計・施工のBIMモデル作成が対象
②設計BIMモデルや施工BIMモデルの作成等に要する費用について幅広く補助する
③協力事業者(下請事業者等)だけでなく、代表となる元請事業者等も補助の対象とする

つまり、一定の要件を満たす建築物を作るのにBIMを利用すれば、BIMソフトウェアを含む環境構築や人件費、講習にかかる費用も補助するということです。
その総額80億円！

国土交通省は、「2023年までに小規模工事を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適用」（今年ですね！）を決定しており、今回のこの事業は、文字通りこの「建築BIM化」を加速させるものです。国が、BIM化することにかなり力を入れているということがよくわかりますね。

国が建築BIM化に力を入れる理由

では、なぜ国はこれほどまでに建築BIM化に力を入れるのか？
その理由は、「建築BIM加速化事業実施支援室」Webサイトにある「建築BIMの意義と取組状況について」にも書かれている通りですが、

・労働者の高齢化、深刻な人材不足

出典：国土交通省「建築BIMの意義と取組状況について」

このグラフからもわかるように建設技能労働者人数で最も多いのが65歳以上になっており、20代以下はかなり少なくなっています。現状でも若手が少ないことによる人材不足感が相当ありますが、さらに10年後はこの60歳以上が大量に退職することが見込まれているため、より深刻な人材不足に陥ることが容易に想像できます。

　
・生産性の低さ、長時間労働
出典：国土交通省「建築BIMの意義と取組状況について」

建設業の生産性は全産業平均を下回り、情報通信業の半分しかありません。労働時間も建設業は平成29年を境に減少傾向ではあるものの、全産業平均と比較して340時間、つまり1日あたり全産業平均より1.5時間も労働時間が長いというデータが出ています。
人材は不足している、労働生産性は低いということから業務を効率化するのが最優先ということで「建設DX」を推進することが急務とされています。その最有力の施策が「建築BIM化」なのです。

給与も高いBIMオペレーター

ということで、RevitやArchiCADなどのBIMソフトが使える人の市場価値は非常に高くなっています。派遣会社の時給で言うと、CADオペレーターが時給1400〜1600円程度であるのに対し、BIMオペレーターは2000円を超える仕事も多く見られます。
実際派遣でBIMオペレーターとして働いていらっしゃるReCADemyの受講生の話によると、仕事が多いのと人材が不足しているせいで、派遣元からもっと条件の良い派遣先への転職を勧められることもあるようです。

今、ReCADemyで募集しているこちらの案件でも、お客様から「Revitが使える方なら何人でも来ていただきたい」と言われています。

このように、「人材不足」と「DX化推進」という大きな課題を解決するのがBIMスキルの習得です。CAD・BIMの仕事をこれからやってみたいと思っていらっしゃる方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか？
　

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